用語説明

RSA

Rivest-Shamir-Adleman scheme

1978年にMITで開発された公開鍵暗号方式であり,開発者3名(リベスト:R.L.Rivest,シャミア:A.Shamir,エーデルマン:L.Adleman)の頭文字により命名。その安全性は大きな整数の素因数分解の困難さに依存している。まだ,効率的な暗号解読法は見つかっておらず,現在世界で最も信頼されている公開鍵暗号方式(図)。

RSA暗号は膨大な計算量が必要なため,大量データの暗号化には向いていない。そこで,RSA暗号は2者間で秘密の通信を行うに先立っての認証と鍵共有を行う場合によく利用される。現在,インターネット等で実質的な標準とし広く使われている。暗号化/復号化の単位が公開鍵nになっている。暗号化/復号化はべき乗剰余演算(ある数を何回も乗算してnで割った余りをとる計算)を行う。大きな整数nを素因数分解することの難しさに安全性の根拠を置いている。最近は,公開鍵のnサイズは1,024 bitが推奨されている。

◆ 《楕円曲線暗号

RSA暗号に比べて,より少ない鍵長でも,より解読が困難となることを特長とする楕円曲線に基づく暗号認証の総称。現在のところ,安全強度にかかわる鍵長160 bitは,RSA暗号の1,000 bit程度の強度に相当すると考えられている。従来よりも少ないデータ量で同程度の安全性を確保できるので,次世代のセキュリティ高度化に欠かせない方式として期待されている。

図_RSA暗号