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5月号 2021 Vol. 19 No. 5

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■ 概要
日本の平均寿命と健康寿命の間には9から12歳の差があります。寿命と健康寿命の乖離は社会課題であると同時に個人のウェルビーイングにも影響するため、国民の健康意識を高め、予防や早期診断・治療を促進することが求められています。こうした社会課題の解決に健康・医療ビッグデータの活用で臨むNTTグループが2つの戦略的ヘルスケア会社を立ち上げました。是川幸士NTTライフサイエンス、新医療リアルワールドデータ研究機構代表取締役社長にトップの心構えと社会課題解決に臨む事業展開について伺いました。

Front-line Researchers

■ 概要
実世界の多様な質感を人間の脳が認識するメカニズムの多くは謎として残されています。そのメカニズムの解明は、人間の感覚情報処理の科学的理解だけではなく、情報工学技術の発展にとっても不可欠な課題です。NTTコミュニケーション科学基礎研究所は所内外の研究者とともに情報科学、神経科学、心理物理学等の学際的な観点から「質感」の研究を牽引しています。「質感学」という新分野は、国内外から注目を集めており、その研究成果と研究者としての姿勢について西田眞也NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員に伺いました。

Feature Articles: Toward New-principle Computers

■ 概要
現代のコンピュータとは異なる原理で動作する、量子コンピュータやイジングマシンなど非ノイマン型のコンピュータが注目を集めています。組合せ最適化問題、量子化学計算、素因数分解など特定の問題において威力を発揮しますが、どれも社会にインパクトのある重要な問題であるため、精力的に研究が進められています。本特集では、新原理コンピュータの進展を解説しながら、NTT研究所における理論と実験に関する取り組みを紹介します。
■ 概要
NTTでは、光パラメトリック発振器群を用いてイジングモデルと呼ばれる相互作用するスピン群の基底状態探索問題を効率良く解く新しいコンピュータ「コヒーレントイジングマシン(CIM)」の研究開発を行っています。本稿では、超伝導素子群を用いてイジング問題を解く「量子アニーリングマシン」とCIMの計算能力を比較する実験を紹介します。
■ 概要
容量シャント型超伝導磁束量子ビットと3次元キャビティのハイブリッド化により、長寿命かつ周波数可変な3次元量子ビットを実現しました。これまで、2次元磁束量子ビットで実現されているエネルギー緩和時間は50 μs程度でしたが、今回90 μsまで延ばすことに成功しました。この新しいデザインは、3次元キャビティ中のマイクロ波の状態を量子ビットとして利用するボソニック量子ビットへの応用が期待できます。
■ 概要
私たちは現在、小規模な量子コンピュータや量子ネットワークの構成要素を作成できるレベルの量子技術を手にしています。ここでの課題は、莫大な数の量子ビットの相互作用を必要とする誤り耐性量子コンピュータの実現に向け、これらの構成要素をどのように組み上げていくかにあります。本稿では、現在分野で想定されている量子コンピュータのレイヤ構造について解説します。
■ 概要
誤り耐性のある大規模量子コンピュータの実現には、非常に厳しい条件を満たす実装技術が要求されます。そのような実装技術を可能にするための基礎研究が、まさに今、世界中で進められています。実は、この点において、理論研究も貢献することができます。本稿では、理論的知見に基づいて、物理実装上の制約がある量子コンピュータの能力を最大限利用するための研究を紹介します。
■ 概要
量子情報処理を幅広く活用するためには、ノイズに対処するための誤り耐性処理が必須となります。量子誤り訂正符号を用いた誤り耐性量子計算は、スケーラブルとなりますが量子ビット数や処理の増加が大きいため効率化が今後の重要な研究課題となっています。量子誤り抑制は計算コストがかかりますが、量子ビット数のオーバヘッドがかからないため近い将来の活用が期待されています。本稿では、これらの研究開発および量子情報処理の実装に向けた取り組みも合わせて紹介します。

Feature Articles: ICT Solutions Offered by NTT Group Companies

■ 概要
NTT東日本では、同社が保有するICTやアセットを活用し、新型コロナ禍においても時間と場所を超え、地域の文化芸術を楽しむことができる分散型デジタルミュージアムのショーケースとして、2020年12月1日から体験型美術展「Digital×北斎」【破章】を開催しています。本稿では、その取り組み内容について紹介します。
■ 概要
コロナ禍にあって各種イベントが中止・延期される中、「イベントの無観客オンライン配信」という新しいスタイルが立ち上がりつつあります。NTT西日本グループでは、マルチアングルVR(Virtual Reality)映像配信サービス「REALIVE360」の開発に着手し、都市部で開催されているコンサート等のイベントを、地方等遠隔地でも高臨場感に体験できるサービスとして「REALIVE360」をサービス化しました。本稿では「REALIVE360」の特徴と今後の展開について紹介します。
■ 概要
現在、製造業をはじめとするさまざまなお客さまから注目されている無線技術のローカル5G(第5世代移動通信システム)。これまで自営の無線通信手段として広く普及してきたWi-Fiとは異なり、ライセンスバンドを使用するローカル5Gは、設計・構築・運用に特別なノウハウを必要とします。本稿では、ローカル5Gが制度化される前から実証実験を重ね、知見を溜めているNTTコミュニケーションズより、ローカル5Gネットワークを活用したお客さまとの共同実証実験の事例や、MEC(Multi-access Edge Computing)・ネットワークスライスといった技術開発中のテクノロジについて紹介します。
■ 概要
MLOps(Machine Learning Operations)とはDevOpsの機械学習版で、機械学習の開発担当者とシステムの運用担当者がお互いに協調し合い、実装から商用システム運用までを円滑に進めるための概念全体を表します。昨今、技術トレンドとしてMLOpsが流行っておりますが、ベンダごとに定義はばらばらで統一的な見解がないと考えています。そのような背景を踏まえ、本稿ではMLOpsの背景や基本的な考え方に加えて、現時点で最新と考えられる検討観点や具体的な実現手段を中心に解説をします。
■ 概要
ことばを処理するAI(人工知能)技術の1つとしてBERTという技術が脚光を浴びています。NTTデータではBERTをビジネスで実用化するため、さまざまな業界の特有な単語や言い回しをとらえることのできるBERTの応用開発を行っています。これにより、個々のお客さまニーズに合わせた最適なAIモデルを構築することができます。本稿では、その一例である「金融版BERT」と「ドメイン特化BERTフレームワーク」について紹介します。

Regular Articles

■ 概要
内製InP-HEMTトランジスタ技術を用いて、300 GHz帯において120 Gbit/sのデータ伝送を可能とするトランシーバ(TRX)を実現しました。裏面DC線路(BDCL)技術によりPAの高利得化および高出力化を図り、TRXのキーコンポーネントである電力増幅器(PA)を実現しました。PAは最大利得20.5 dB、飽和出力12 dBmの良好な特性を示しました。本PAを用いて300 GHz帯TRXを構築し、Back-to-back伝送および9.8 m無線伝送時において、それぞれ124 Gbit/s、120 Gbit/sの高データレートを達成しました。私たちの知る限り、これらは論文等で報告されている300 GHz帯TRXの中で最も高いデータレート値です。

Global Standardization Activities

■ 概要
ISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)JTC (Joint Technical Committee)1 SC(Subcommittee)27では、セキュリティやプライバシに関する方法・技術・ガイドライン等の開発・標準化が行われています。その中でもWG(Working Group)2は暗号およびその他のセキュリティメカニズムの開発・標準化を担っています。ここではWG2での暗号アルゴリズム・プロトコルに関する最新の標準化動向を紹介します。

External Awards/Papers Published in Technical Journals and Conference Proceedings
外部での受賞もしくは投稿した論文の抄録

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