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11月号 2014 Vol. 12 No. 11

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■ 概要
生き馬の目を抜くICT業界。世界に点在するライバルに打ち勝つためには絶えずお客さまの目線を意識して取り組まなければいけないという厳しい時代に、自社の強みを存分に活かしレッドオーシャンで舵を切る。荒波に向かう心構え、戦略を舩橋哲也NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長に伺いました。

Feature Articles: New Developments in Communication Science

■ 概要
基礎研究の中から生み出される新発見、新発明によってイノベーションが起こり、産業構造と生活様式の変革につながることがあります。しかし、そうした成功事例はまれであり、基礎研究には高いリスクが伴うのも事実です。本稿では、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の活動から生まれた技術を歴史的変遷とともに分析することによって、将来に向けた基礎研究の推進戦略と、取り組むべき課題を過去の成功事例から明らかにします。
■ 概要
一般に画像や映像の検索ではテキストなどの付随情報(メタデータ)が活用されますが、膨大な量のコンテンツに対して事前にメタデータを付与することが難しい場合も考えられるため、コンテンツ自体に基づく検索技術の確立は重要な課題です。NTTコミュニケーション科学基礎研究所は15年以上にわたって、コンテンツに基づいて同じものを特定する技術の研究を進めてきました。その中でも、私たちが最近開発した「インスタンスサーチ」と呼ぶ技術では、問合せ画像にあるものと同じ物、人、建物などが映っている動画中の個所を、たとえその見え方が異なっていても、精度良く検出することが新たに可能になりました。本稿では、この新しい技術の概要と可能性について紹介します。
■ 概要
少しでも残響の残る部屋で音声をマイク収録すると、収録音には目的の音声だけでなく残響も含まれてしまいます。残響は収録音声の明瞭性を下げ、また自動音声認識の性能を低下させる要因になります。このように、コミュニケーションの手段としての音声にとっては、残響はしばしば邪魔なものになります。一方、音楽の鑑賞や演奏にとって、残響は必要不可欠な要素です。例えば、音楽ホールのステージ上で音楽が演奏されれば、その音はホール独自の豊かな響きである残響を伴って、厚みのある音として聴衆の耳に届きます。本稿では、残響のこのような功罪両面の効果を自在に操る革新的音響信号処理技術「残響除去・制御技術」を紹介します。
■ 概要
NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、物理的には引っ張っていないにもかかわらず、あたかも手を引かれるような感覚をつくり出す力感覚提示手法の研究を進めています。これまでにも「非対称振動」を利用することで引っ張られるような感覚をつくり出せることを示し、その知覚特性や応用装置の研究を行ってきましたが、装置が固定電話の受話器ほどの大きさのため可搬性に乏しいという問題がありました。本稿では新しい機構を採用することにより、従来の試作機より9割以上サイズと重量を小さくした「ぶるなび3」を紹介します。
■ 概要
目の前の物体を見たとき、私たちはその物体を構成する素材の柔らかさや輝き、重さなどの質感を感じ取ることができます。では、脳はどのような画像情報に基づいて物体の質感を認識しているのでしょうか。NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、映像中の動きの特徴量から人間が液体の粘性や透明感といった質感を認識することを発見しました。また、その特徴量を操作することで、映像中の液体質感を操作することのできる技術を提案しましたので紹介します。
■ 概要
ICTと利用者のかかわり方をよりナチュラルなものにするための鍵を握るのが、心の状態を生体信号から解読するマインドリーディング技術です。とりわけ、意思決定や対人印象などを大きく左右するにもかかわらず、当人も言語化したり自覚したりすることが困難な、潜在的な心の状態が解読できれば、ICTの適用範囲も質も飛躍的に変わります。NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、潜在的な心を無自覚的な身体動作や自動的な生理反応から解読することを目指して研究を進めています。
■ 概要
量子コンピュータは、量子力学独特の性質を積極的に利用して計算を行うコンピュータです。実用レベルに達するには、まだ長い年月がかかるといわれていますが、現在のコンピュータでは解けない問題を、超高速に解くことが期待されています。本稿では、現在知られている量子アルゴリズムの中でも特に応用範囲が広いとされる量子探索を取り上げ、量子コンピュータの可能性について考えていきます。
■ 概要
NTTコミュニケーション科学基礎研究所では大規模な空間の音響信号をまるごとつかまえるため、並列性に優れた高速カメラとマイクロホン信号をLEDに変換するセンサからなる可視光通信を利用し、マイクロホンアレイを試作しました。そして配線や電波に制約されずに、120チャネルのマイクロホンアレイ信号による実時間の指向性収音を実現し、将来の大規模化の見通しを得ました。これによりライブ・イベントなどでの超指向性収音や臨場感音響環境の実時間録音、取得・配信への応用が期待されます。

Feature Articles: R&D Efforts at NTT FACILITIES

■ 概要
NTTファシリティーズは創立当初より研究開発組織を持ち、電力技術と建築技術にICTを掛け合わせた融合技術を磨いてきました。2014年7月に新しい研究開発拠点がオープンしたのに合わせ、私たちの研究開発概要を改めて紹介するとともに、本稿では研究開発本部移転プロジェクトのねらい、新拠点で行う技術融合の取り組みについても紹介します。
■ 概要
情報通信分野の消費電力低減という課題に対し、NTTファシリティーズでは、給電・空調分野において、高効率電源装置、高効率空調装置などの装置レベルから、高電圧直流(HVDC: High-Voltage Direct Current)給電システム、タスクアンビエント空調システムなどのシステムレベルまで、戦略的に技術開発を行ってきました。本稿では、当社の給電技術および空調技術を紹介するとともに、さらなる消費電力低減に向けた今後の取り組みとして、ICT・給電・空調連係制御技術を紹介します。
■ 概要
地球温暖化防止の観点だけでなく、東日本大震災以降、電力需給の安定化や高騰するエネルギー料金の低減のために各所でさまざまな省エネルギーの努力が行われています。その有効な解決手段の1つとして、スマートコミュニティの構築・整備が進んでいます。スマートコミュニティでは、電力だけでなく、熱や未利用エネルギーも含めたエネルギーの統合管理を、住宅や業務用ビルなどさまざまな施設に対し実現する必要があります。本稿では、スマートコミュニティの課題や、実用化に向けた要素技術の紹介、およびその実例を概説します。
■ 概要
近年の環境意識の社会的高揚と行政の取り組みは、企業活動において環境配慮の努力を当然のものとしています。特に活動過程で環境影響の極めて大きい建築建設業においては、環境配慮の努力は不可欠です。建物を構成するさまざまな要素に対して省エネルギーな設計、運用と製造過程でのCO2削減の努力がなされる中、本稿では建築と電力の技術について設計から運用まで手掛けるNTTファシリティーズの融合領域技術による、さらなる環境配慮を指向した取り組みを紹介します。
■ 概要
NTTファシリティーズでは、信頼性の高い情報通信基盤を提供するため、観測・実験・解析の3つの耐震技術を独自に確立し、進化させてきました。そして、リジリエント(防災力のある)な社会を実現するため、これらの耐震技術をさらに進化させつつ相互に連携させることにより、新たな地震防災技術の開発に取り組んでいます。本稿では、NTTファシリティーズにおける各耐震技術の概要と、近年開発に注力している構造ヘルスモニタリング技術について紹介します。
■ 概要
NTTファシリティーズでは長年にわたる通信用電源・空調設備、および建物に関する企画・設計・構築・維持管理業務を実施する中で、大量のデータを蓄積してきました。近年ではこれらのデータを活用し、故障対応の効率化・迅速化や建物・設備の劣化・故障予測に応用する技術開発を実施しています。本稿ではこれら建物・設備に関するデータ活用の取り組みを紹介します。

Regular Articles

■ 概要
10G-EPONシステムにおけるキー部品であるバーストモード受信回路について紹介します。既存GE-PONシステムとの共存を実現するため、本受信回路はバースト信号への対応に加え、10.3 Gbit/sと1.25 Gbit/sの2つの伝送レートに対応します。400 nsのレシーバセットリング時間において10.3 Gbit/sと1.25 Gbit/sの受信感度はそれぞれ-30.3 dBmと-35.6 dBmであり、これは10G-EPONとGE-PONの仕様を十分なマージンを持って満足する値です。

Global Standardization Activities

■ 概要
スマートホームビジネス展開に必要な技術課題について、私たちは国際標準化という場にて海外通信事業者と連携し、通信事業者間で共通する課題解決を図る活動を進めています。ここでは本活動の一環として進めているHGI(Home Gateway Initiative)での通信事業者共通の要件規定の活動状況、およびその要件文書を活用したZigBee Allianceでの標準化活動の状況について報告します。

Information

■ 概要
IEEEマイルストーンに認定された線スペクトル対(LSP)について、その特徴と音声符号化の分野での世界への普及状況について紹介します。LSPは1975年に板倉文忠氏によって発明された音声の周波数スペクトル、すなわち声道(口の形)を表現する方法です。1980年にはLSPによる合成チップがつくられ、1990年代以降にはLSPは世界中の音声符号化の標準方式の主要な要素技術として組み込まれ、現在もほぼ世界中の携帯電話やIP電話で使われ続けています。
■ 概要
NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、コミュニケーション科学に関する最新の研究成果を知っていただけるイベントとして、2014年6月5、6日に「オープンハウス2014」を開催しました。ここではその開催模様を報告します。

Papers Published in Technical Journals and Conference Proceedings

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