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1月号 2025 Vol. 23 No. 1

Front-line Researchers

■ 概要
ネットワーク内のトラフィックが急速に増大傾向にある中で、「光」を用いた高速・大容量・低遅延の通信により、こうしたトラフィックの増大への対応が可能となります。さらにIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の実現により、こうした特長がさらに強化されるだけではなく、省エネルギー化にもつながります。こうした光による通信はデジタル信号を光の波としての性質を利用して伝送しています。情報処理の世界はデジタルの世界ですが、光を波としてアナログ的に操作することで、より高速で省エネルギーな情報処理が可能となります。光を波としてアナログ的に操作することにより、ニューラルネットや量子コンピュータの実現に向けて挑戦する、NTT先端集積デバイス研究所 橋本俊和上席特別研究員に、「光を用いた計算に向けた光デバイス技術」とその応用、外の人と連携することで刺激を受け、学びを得て難しい課題にチャレンジする思いを伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
AI(人工知能)技術は進歩を続け、大規模言語モデルによる生成AIの普及によってより身近なものとなってきています。しかし今提供されているAIサービスは、顔認識機能、音声認識、翻訳・要約、文章生成等、特定の機能に特化しているものが主となっており、それを統合するようなAIサービスにはたどり着けていません。専門の知識を持った複数のAIをつなぎ合わせ、人の脳のように統合的に判断できる「MediaGnosis(メディアグノシス)」に取り組む増村亮特別研究員に、人間のような統合的なAIサービスの実現に向けたさまざまな課題や研究の心構えについてお話を伺いました。

Feature Articles: Fixed-mobile Convergence Services with IOWN

■ 概要
NTT IOWN総合イノベーションセンタ内のIOWNプロダクトデザインセンタは、移動・固定の多様な端末やアクセス形態を意識させないシームレス・高エクスペリエンスなエンド・ツー・エンド通信となる移動固定融合ネットワークの実現に向けた開発・普及戦略を策定・推進しています。さらに、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想のキープロダクトであるAPN(オールフォトニクス・ネットワーク)のネットワークサービスへの適用、新たな価値創出についても検討を進めています。
■ 概要
IP(Internet Protocol)ネットワーク上でのコミュニケーションサービス提供のためには、多様な参加端末と接続形態に応じた音声・映像のセッション制御の仕組みをサービスごとに開発する必要があり、コミュニケーションサービス提供者が本来尽力すべきコミュニケーションサービスのコンテンツ拡充にリソースを集中できない問題が起きています。本稿では、この問題を解決するため、通信キャリアが提供するさまざまなコミュニケーションサービスに適用可能な通信制御基盤を提供する研究開発の取り組みを紹介します。
■ 概要
移動固定融合ネットワークは移動網や固定網などのアクセスネットワークやデータセンタネットワークなどのさまざまなドメインのネットワークの密な連携により実現されます。本稿では、ネットワークドメイン間連携を柔軟に実現しネットワーク全体の信頼性や品質を向上するリライアブル制御プラガブルネットワーク連携基盤による、ネットワークの進化の可能性について紹介します。
■ 概要
5G(第5世代移動通信システム)ネットワークのRAN(Radio Access Network)では高周波数帯の活用や大容量化に伴い無線基地局が増加し、さらにスマート工場などでのネットワーク利用が期待されています。そのため、従来の装置オペレーションに加え、無線基地局スリープによる省電力化やネットワークスライス制御といった複雑なオペレーションが求められており、その実現にはネットワークの状況分析や制御内容の判断を自律的に実施する「インテリジェント化」が必要です。本稿では、RANを自律的に制御しインテリジェント化を実現するコグニティブ・ファウンデーション(CF)連携基盤技術を紹介します。
■ 概要
ネットワークを流れるトラフィックは年々増加傾向にあり、ネットワーク機器の消費する電力の増加が問題になっています。本稿では、ネットワークのソフトウェア処理において、ソフトウェアの技術により省電力化に挑戦する研究開発の取り組みについて紹介します。

Regular Articles

■ 概要
音声強調は,背景雑音から聞きたい人の声を抽出する技術であり、音声認識をはじめとする音声アプリケーションを雑音環境下で動作させる上で不可欠なものです。本稿では、話者が話しながら移動するような場合でも、話者の移動に追従し目的話者の声を聞き取り続けることが可能な新たなビームフォーミング技術について紹介します。ビームフォーミングの設計には、目的話者や干渉信号の空間情報(音源の到来方向の情報)が必要になります。私たちは強力な人工知能の技術を取り入れることで、移動により時間変化する空間情報を効果的に推定するための枠組みを提案しました。提案手法により、目的話者が移動する場合でも高い精度のビームフォーミングが可能になりました。

Global Standardization Activities

■ 概要
本稿では、6G(第6世代移動通信システム)や将来のネットワークを見据えて、TM Forumで行われているAI(人工知能)を活用したオペレーションの自動化に関する最新の議論状況を紹介します。自動化の全体議論であるAutonomous Networkやそれを実現させるためのBSS(Business Support System)/OSS(Operation Support Systems)アーキテクチャであるOpen Digital Architecture、B2B2Xのようなさまざまな産業と連携したビジネス創出のためのAPI(Application Programming Interface)検討、およびAIをオペレーションへ適用していくことなどを見据えた通信事業者の組織や人の課題についての議論が活発になっています。

External Awards/Papers Published in Technical Journals and Conference Proceedings
外部での受賞もしくは投稿した論文の抄録

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