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11月号 2025 Vol. 23 No. 11

View from the Top

■ 概要
2025年7月1日にNTTコミュニケーションズは社名を「NTTドコモビジネス」に変更しました。企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現をめざす小島克重NTTドコモビジネス代表取締役社長にドコモビジネスの重点領域やトップとしての心構えを伺いました。

Front-line Researchers

■ 概要
小学6年と中学3年を対象に2025年4月に実施した、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)において、自分の考えを文章で表現する中学国語の記述式問題の全国平均正答率が25.6%にとどまり、3割近くが無回答の問題もあった、という報告が文部科学省からありました。問題の主意を理解して、自分の考えを文章で表現することは、言語により成り立っています。こうしたヒトの言語発達は、生まれて間もない新生児のころから、親などからの話しかけや読み聞かせなどにより育まれています。乳幼児期の言語発達について研究を進め、その成果を「パーソナルちいくえほんシリーズ」等の絵本事業として提案・監修し、乳幼児を対象とした教育支援に貢献する、NTTコミュニケーション科学基礎研究所小林哲生上席特別研究員に、「ヒトの心の発達」についての研究成果を現場の支援ツールとして展開する想いを伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
私たちが普段当たり前のように使っているインターネットサービスは、長距離・大容量通信を実現する光通信技術と、光ファイバケーブルや光送受信器をはじめとする数多くの設備によって支えられています。しかし、光通信技術の発展に伴う設計の複雑化や、増加し続ける通信設備に対する経済化への対策など、多くの課題も残されています。このような状況でも、通信路(パス)の最適設計技術を駆使することで、現在の通信設備でもより多数の通信を経済的に行うことが可能になります。今回は、その研究である「通信路(パス)の最適設計技術」のトップランナー、田中貴章特別研究員にお話を伺いました。

Feature Articles: AI Constellation—Toward a World in Which People and AI Work Together

■ 概要
NTTでは、AI(人工知能)どうしが相互に議論・訂正を行うことで、人が要因推測すら困難な問題に対して、多様な視点から解を創出する大規模AI連携技術「AIコンステレーション®」を2023年度より提唱し、取り組みを進めています。本稿では、AIの技術トレンドなど同構想に至る背景や詳細、獲得すべき能力やユースケースの類型、および将来のIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想との関連について紹介します。
■ 概要
「AIコンステレーション®」をはじめとするマルチエージェントシステム議論では、複数の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)を活用することで、多様な視点に基づく課題解決が期待されています。一方、単純に言語モデルを組み合わせるだけでは、発言が類似・抽象的となり、議論が深まらないことが課題となっています。本稿では、こうした課題に対して、議論の流れを維持しつつ新たな観点を自動選択する「LLMエージェント発言多様化技術」について紹介します。
■ 概要
本稿では、福岡県大牟田市で開催したAIコンステレーションのフィールドトライアル「会議シンギュラリティ」を紹介します。AI(人工知能)どうしが議論を行うAIコンステレーション®によって、地域課題など立場によって解が異なる複雑な問題に対して多様な観点からアイデアや意見を導出し、人間どうしの議論深化や具体的な気付きを得られることを確認しました。
■ 概要
本稿では、AIコンステレーション®の基盤技術としての活用を志向する先端AI(人工知能)アルゴリズムの研究事例を紹介します。具体的には、学習結果の再利用を可能にするNTT発「学習転移」技術、偏ったデータの環境変化に低ラベリングコストで適応するための転移学習技術、数値予測モデル向けのテスト時適応技術、多種多様な大規模高次元データ分析のためのスパースモデリング技術について解説します。

Feature Articles: Security R&D for a Better Future

■ 概要
私たち、NTT社会情報研究所は、40年以上にわたる世界最先端の暗号研究、20年にわたる先駆的なサイバーセキュリティ研究を礎として、社会の「守り」に貢献しながら、リスクを許容できず従来諦めていた新たな活動やビジネスを具現化することによって、社会の「発展」に貢献するセキュリティR&Dに取り組んでいます。本稿では、その取り組み方針と最新の重点研究テーマを紹介します。
■ 概要
大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)は、議事録作成や英語レポートの翻訳・要約などを自動化し、業務効率を大幅に向上させています。その一方で、LLMを活用したシステムには、従来のITセキュリティ技術では防ぎきれないAI(人工知能)の脆弱性に起因する脅威が存在しています。本稿では、LLM特有の代表的な脅威と、それらに対する防御手法の動向およびNTT社会情報研究所の取り組みを紹介します。
■ 概要
システム等をねらうサイバー攻撃は年々激化する一方、セキュリティ人材不足も深刻化していることから、AI(人工知能)による自動化を前提としたセキュリティオペレーションへの抜本的な見直しが求められています。さらに現代の情報社会では、偽・誤情報などにより人々の自律的な意思決定の維持が難しくなっており、セキュリティの対象はシステム等から人の認知へと拡大しています。本稿では、生成AIを活用した革新的なサイバーセキュリティオペレーションと人の自律的な意思決定を支えるコグニティブセキュリティに関する取り組みを紹介します。
■ 概要
個人主導の情報流通による「デジタル価値社会」の実現に向け、NTTではデジタル情報の信頼性確保、暗号化などの制御の実現、安全な活用手法に関する研究開発を行っています。情報の真正性・制御性・安全性を三本柱としてデジタルIDウォレットや分散型トラスト、秘密計算等を通じて、信頼可能かつプライバシー保護された情報活用を可能とする基盤技術の構築をめざしています。
■ 概要
NTT社会情報研究所では、量子計算機時代の社会課題解決と社会変革に資する、世界トップレベルの暗号・セキュリティ技術の研究開発に取り組んでいます。本稿では、耐量子計算機暗号理論の研究や標準化、現代暗号から耐量子暗号への移行に資するクリプトアジリティ技術の研究開発に加え、暗号理論と量子情報処理を融合した新たなセキュリティ技術の研究について紹介します。

Regular Articles

■ 概要
光による情報処理は、広帯域な信号を空間や波長領域に多重化して並列的かつ極低損失に伝送できるため、主に情報伝送の手段として大きく発展してきました。近年、これらの技術をさらに発展させ、情報伝送だけではなく、計算処理まで光回路上で実行する「光コンピューティング」という技術分野が注目を集めています。本稿では、光によって演算を行うプログラマブル光プロセッサとその機械学習や通信応用に関する著者らの最近の取り組みを紹介します。

Global Standardization Activities

■ 概要
ISO (International Organization for Standardization)/IEC (International Electrotechnical Commission) JTC (Joint Technical Committee) 1は、ISOとIECが共同で設立した、情報技術分野の国際標準化を担う組織です。ここでは、ここ2〜3年におけるJTC1直下の会議体の動向を中心に紹介します。

Practical Field Information about Telecommunication Technologies

■ 概要
本稿では、屋外装置型光アクセス装置(RSBM-F)の雷害故障事例とその対策について紹介します。

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