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3月号 2011 Vol. 9 No. 3

English

Front-line Researchers

■ 概要
子どものころから、和漢の古典文学が好きで、もっとも影響を受けたのが荘子、日本でいえば鴨長明の『方丈記』のような無常観ものが好きだと語る柏野牧夫上席特別研究員。「聴覚」や「コミュニケーション」を心理学、神経科学、情報科学の側面から解明しようという異色の研究者が考える研究のあり方や意義、その未来についてお話を伺いました。

Feature Articles: System LSI Design for Broadband Optical Access Network Systems

■ 概要
通信システムに組み込まれるSoCとはどのようなものか? また、なぜその技術が重要なのか? 本特集では、NTTマイクロシステムインテグレーション研究所で研究開発を行っている光アクセス通信システム用のSoCと高速フロントエンドエレクトロニクスについて、その特徴と役割、そしてこれらを設計するうえでの技術と課題について解説します。
■ 概要
専用処理回路とプロセッサを搭載した大規模SoC(System on a Chip)の設計では、手戻りや工数削減のため、プロセッサ上のソフトウェアと専用処理回路のハードウェアを設計初期から結合検証することが必要となります。本稿では、仮想ハードウェアを用いる協調シミュレーションの方法とその効果を、実例を交えて紹介します。
■ 概要
MAC制御LSIは、光アクセスシステムを構成するOLTやONUが備えるべき機能のほとんどを搭載する重要な部品です。実現すべき機能はPONインタフェース機能のほか、バッファやブリッジ、さらには保守や認証などの機能を含みます。本稿では、これらを備えるMAC制御LSIを開発するプロセスと構成法について解説します。
■ 概要
SoC(System on a Chip)検証工程は設計データの品質向上のために重要な工程ですが、近年検証期間の長期化が問題となっています。このため、光アクセス通信用SoCの検証では、FPGA(Field Programmable Gate Array)を利用した検証を従来の検証と並行して行い、検証期間の短縮と設計品質の向上を図りました。本稿では、これらのFPGA検証技術について説明します。
■ 概要
次世代の光アクセスシステムである10G-EPONでは、一般の通信とは異なり、10 Gbit/sの高速光信号を断続的に受信する必要があります。本稿では、突然入力する光信号に、瞬時に反応して正常な受信状態にする新しいバースト受信回路を紹介します。

Feature Articles: R&D of Optical Component Technologies for 100-Gbit/s Digital Coherent Communications

■ 概要
FTTH(Fiber To The Home)、映像サービス、モバイル端末の急速な普及に伴い、ネットワークの大容量化および高度化が必要となっています。本特集では、フォトニックネットワークを支える光デバイス技術の進展について、特に近年注目を集めているデジタルコヒーレント通信方式に必要とされる光デバイス技術について紹介します。
■ 概要
波長多重光通信システムでは、送信光の波長を任意に設定できる波長可変レーザが使われています。1波長当りの伝送速度が100 Gbit/sとなる次世代システムでは、変調・復調方式が従来システムとは異なるため、スペクトル線幅の狭い光源が必要とされます。本稿では、波長可変レーザの狭線幅化技術について紹介します。
■ 概要
NTTフォトニック研究所では、通信トラフィックの大容量化を可能とする、PLC-LN(LiNbO3:ニオブ酸リチウム)ハイブリッド集積技術を用いた高機能、高速多値光変調器の研究開発を進めています。この変調器を用いることにより、世界最高レベルの大容量伝送や、各種伝送条件に対応可能なフレキシブルな伝送が可能になります。
■ 概要
デジタルコヒーレント方式では、多重分離や復調処理を行う高機能な光受信フロントエンド(FE)が必要になります。NTTフォトニクス研究所では、石英系プレーナ光波回路を用いたハイブリッド集積構成により、100 Gbit/s級の光受信FEモジュールの開発を進めています。本稿では開発した集積化技術と作製したモジュールの概要を紹介します。
■ 概要
光通信システムの大容量化・長距離化に向けて、100 Gbit/sデジタルコヒーレント通信の研究開発が進められています。NTTフォトニクス研究所では、100 Gbit/sデジタルコヒーレント通信用光受信器に必要な、高光入力パワー時でも広帯域性能を維持するフォトダイオードと、広帯域性能を持ちながら幅広い入力信号レベル範囲に対して動作可能なトランスインピーダンスアンプを開発し、その基本性能を確認しました。

Regular Articles

■ 概要
本稿では、ミリ波パーソナルエリアネットワーク(WPAN)のシステム設計および標準化のために開発したアンテナモデルについて述べます。また、標準化の活動においてなぜ新しいアンテナモデルを用意する必要があったのかについても議論します。開発したアンテナモデルは簡単な数学モデルであり、アンテナの半値角を与えることによりメインローブのパターンと平均化したサイドローブレベルを与えるものであります。このアンテナモデルはミリ波WPANの標準化(IEEE 802.15.3c)のチャネルモデル文書の中でリファレンスモデルとして採用されています。
■ 概要
本稿では、最近注目を浴びている圧縮センシング技術を解説します。また、フレキシブルワイヤレスシステム(FWS: Flexible Wireless System)における圧縮センシング技術を応用した、重要度の高い信号の高性能を確保しながら重要度の低い信号の伝送容量を減らす手法、および信号の重要度に応じて適応的に圧縮の重みをかける手法を説明します。

Global Standardization Activities

■ 概要
NTTグループでは通信サービスを安全・安心に提供するために必要なEMC条件を定めています。ここでは、最近の通信EMCの標準化動向として、2010年10月6日〜14日に米国のシアトル市で開催されたIEC/CISPR総会の概要と、通信事業にかかわるテーマの審議状況について報告します。

Papers Published in Technical Journals and Conference Proceedings
外部で発表した論文の抄録

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